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2023年1月~

問い合わせ番号:16709-8330-2623 更新日:2023年5月1日

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 「宮永岳彦記念美術館」では、宮永作品を順次、展示しています。

 より多くの皆様に、この貴重な文化芸術資源を知っていただくため、「Miyanagaコレクション」と題して、「広報はだの」とともに宮永作品の紹介をしていきます。

『チャイルドブック』 昭和41年5月号

解説

 幼児向けの月刊絵本『チャイルドブック』昭和41年5月号の表紙原画です。かわいらしいクマとサルを背の乗せて青い空を泳ぐ大きなこいのぼり。5月の暖かい風やこいのぼりがはためく音、喜んでいる動物たちの声まで想像が膨らみます。

 宮永は『チャイルドブック』の表紙を長年手掛け、動物たちが遊ぶ姿や季節のイベントを鮮やかな色彩で描きました。絵本を手に取った子どもたちはわくわくしながら表紙をめくったことでしょう。

 宮永は秦野に住んでいた頃、猿をはじめ色々な動物を飼い、庭先にミニ動物園を造って、近所の子供たちの遊び場として開放していました。そしてそこで遊ぶ子どもたちや動物たちをスケッチし、作品の制作の参考にしていました。

 本展示では『チャイルドブック』の表紙原画の他にも、宮永が描いた可愛い童画を多数展示しています。ぜひ美術館でご覧ください。

広報はだの令和5年5月1日号掲載

『月夜に鳥かごを持つ少女』

解説

 月夜の森の中、裸足で鳥かごを持っている少女が幻想的な雰囲気で描かれています。この作品は絵本の一場面なのか、出典は不明です。しかし、この絵一枚を見ても様々なストーリーが思い浮かび、この少女がどうなるのか展開が気になります。

 戦後、銀座松坂屋の宣伝部に仕事復帰した宮永はウィンドウディスプレイからポスターやチラシにいたるまで、ほとんどを一人で制作し、そこで人々の目に留まるような、可愛らしい子どものイラストを多く描きました。

 それらを見た他の企業からデザインの依頼が殺到し、その仕事はレコードジャケット、絵はがき、パッケージデザイン、本の装丁など様々な分野に広がっていきました。

 「光と影の華麗なる世界」と呼ばれる美人画の世界を確立した宮永が、一方で生涯描き続けた童画。宮永自身が心から楽しく描いていたという童画の世界観をこの作品から感じることができるでしょう。

広報はだの令和5年4月1日号掲載

『全日空 ジェットのハネムーン』

解説

 ふわりと纏ったウェディングドレスから差し出された手。妖精のようにキュートな女性にいざなわれ、大空に包み込まれそうです。ドレスやヴェールは大胆に省略され、背景と一体化していますが、飛行機は緻密に描かれており、この絶妙なバランスが美しくモダンなイラストレーションを生み出しています。

 1955年頃、全日空は会社の窮乏にあえいでいました。しかし宣伝担当者は、宮永独特のエレガントでなんとも言えない色っぽさの漂う女性の表情と、縦横無尽な油彩の荒いタッチを好み、ポスターを依頼しました。すると宮永は「日本人の空は日本人の手で」という会社の精神を気に入り、破格の予算で快諾したそうです。

 白無垢が主流だった時代に、ウェディングドレスを着て新婚旅行を飛行機で、という当時の人々の夢や憧れを見事に表現した宮永の感性は、今も色褪せることはありません。果てしなく続く空に想いを馳せ、希望に満ちた新生活に花を添える一枚です。

※ 広報はだの令和5年3月1日号掲載予定でしたが、紙面の都合により見送りました。 

解説

 1976年ホンコンアートフェスティバルに招待出品した作品です。宮永は主催者の招きで香港を訪れ、香港のファッションモデルを起用し作品を制作しました。イメージに合うチャイナドレスが見つからず苦労したといいます。衣装など細部までこだわる宮永らしいエピソードです。

 椅子に座り足を組んだポーズは、モデルのスタイルの良さやチャイナドレスの美しさを際立たせています。艶やかな女性の肌と光沢が美しいブルーのサテンのチャイナドレス、背景には壁紙の模様やふわふわとした毛皮などがシックな色合いで描かれていてそれぞれの質感の違いが見事に表現されています。

 同じ頃に多く描いていたヨーロッパ風のドレスを着た女性像の現実離れした華麗で耽美な雰囲気とは違った、表情豊かでエネルギッシュな魅力のある女性が描かれています。

広報はだの令和5年2月1日号掲載

解説

 荘厳な雰囲気のステンドグラスを背に鹿鳴館様式のドレスを着た女性がたたずんでいます。逆光に浮かび上がった表情は凛として美しく、ふんわりとした髪型は古典的なモチーフの中にも洗練された現代的なスタイルです。

 商業デザインで活躍していた宮永は、1970年頃、「純粋に自分だけの絵を描きたい。」と挿絵などのマスコミの仕事から離れ、油彩画の制作に取り掛かります。

 そしてその頃、ヨーロッパで見たルネッサンス絵画の古典的作風に感動し、ヨーロッパ風のドレスを着た美人画を描き始めました。舞台設定、人物の容姿や衣装など、現実離れした世界観の作品によって、宮永の理想とする耽美的な女性像を表現することに成功しました。

 本作品は70年代に取材旅行で訪れたパリのサント・シャペルのステンドグラスに惹かれ描かれた作品で、光と影のコントラストの巧みな表現が魅力的な宮永の代表作のひとつです。

※ 広報はだの令和5年1月1日号掲載予定でしたが、紙面の都合により見送りました。

 

広報はだの令和5年5月1日号掲載

このページに関する問い合わせ先

所属課室:文化スポーツ部 文化振興課 文化交流担当
電話番号:0463-86-6309

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